あなたは自分の中に「天才」がいることに気がついているか

我々の心の中で「直観」が閃く理由
田坂 広志 プロフィール

なぜ我々は「自己限定」に囚われてしまうのか

もとより、「天才」と呼ばれる人々の特長は、これ以外にも、人並外れた努力をすることや、強い信念を持つことなどがあるが、最も重要な共通項は、「自己限定」をしないということであろう。

 

それが、彼等が、精神的な能力を萎縮させず、その才能を大きく開花させた理由であるが、もしそうであるならば、我々一般の人間もまた、もし、心の中にある「自己限定」の意識を払拭できれば、隠れた能力や眠っている才能が大きく開花するのであろう。

しかし、残念ながら、我々の多くは、それができない。心の奥深くにある「自己限定」の意識を払拭することができない。それは、ある意味では、自然なことであろう。なぜなら、我々は、誰もが、その人生において、様々な挫折と敗北を体験するからである。

すなわち、我々は、誰もが、子供の頃から、人生における様々な逆境に直面し、その壁の前で、「物事が自分の思うようにならない」という体験をしているからである。そして、我々は、誰もが、この社会において、他者との競争に投げ込まれ、その競争での敗北を通じて、「ある能力において自分が劣っている」という現実を突きつけられる体験をしているからである。

それゆえ、そうした逆境での挫折の体験、競争での敗北の体験を通じて、我々の心の中には、「自分には、できない…」「自分には、無理だ…」「自分には、不可能だ…」といった否定的な想念と「自己限定」の意識が刷り込まれてしまうからである。

どうすれば「自己限定」から自由になれる?

では、なぜ、「天才」と呼ばれる人々は、世に溢れる否定的な想念の「刷り込み」にもかかわらず、決して「自己限定」をしないのか。自分の可能性を信じられるのか。

もし、その理由を知ることができるならば、我々は、天才が才能を開花させる「秘密」を知ることができるのであり、そのとき、我々は、自らの才能を開花させる「技法」を知ることができるのであろう。

では、天才は、なぜ、「自己限定」をしないのか。自分の可能性を信じられるのか。これも、誤解を恐れず、述べよう。

天才は、自分の発想やアイデアを、「自分が生み出した」と思っていないからである。

天才は、自分の発想やアイデアが、「どこかから降りてきた」と思っているからである。

こう述べると、あなたは驚かれるかもしれない。しかし、「天才」と呼ばれる人々は、口に出して言うか言わないかの違いはあるが、誰もが、自分の発想やアイデアが「大いなる何か」に繋がることによって降りてきた、という感覚を持っているのである。