【学習法】最も効果的な「復習スケジュール」に関する驚きの研究結果

復習間隔を徐々に広げるのは効果的か
中田 達也 プロフィール

拡張型のスケジュールに関する研究結果

「復習間隔を徐々に広げていくことは最も効果的な復習スケジュールである」という主張は、直感的には説得力があり、1970~1990年代にかけて多くの研究者もその有効性を主張してきました。

しかし、2000年以降になると、拡張型スケジュールの有効性を必ずしも支持しない研究結果が多く得られるようになり、拡張型のスケジュールが効果的であるという主張に多くの疑問が投げかけられるようになります(*3)

例えば、米国パデュー大学のジェフリー・カーピキ教授とアリシア・バウアーンズシュミット博士が行った研究について見てみましょう(*4)。彼らの研究では、パデュー大学の学生がコンピュータを使用してスワヒリ語の単語を学習しました。

スワヒリ語の単語は、拡張条件・均等条件・縮小条件のいずれかに割り当てられました。拡張条件では、回数を重ねるにつれて、復習の間隔が少しずつ広がっていきました(例:2分→4分→6分)。均等条件では、ある学習項目が一定の間隔で繰り返されました(例:4分→4分→4分)。縮小条件では、回数を重ねるにつれて、復習の間隔は少しずつ短くなっていきました(例:6分→4分→2分)。

研究参加者はさらに、Short・Medium・Longという3グループのいずれかに割り当てられました。Short・Medium・Longグループのそれぞれに、均等・拡張・縮小という3つの条件があったため、合計で以下のような9種類のスケジュールがあったことになります。

 

上表のようにShortグループには拡張・均等・縮小という3つのスケジュール(①~③)がありましたが、いずれの条件でも全ての復習間隔を平均すると40秒であったことにご注目ください。具体的には、以下の通りです。

① Short拡張条件:(8秒 + 40秒 + 72秒)/ 3 = 40秒
② Short均等条件:(40秒 + 40秒 + 40秒)/ 3 = 40秒
③ Short縮小条件:(72秒 + 40秒 + 8秒)/ 3 = 40秒

同じく、Mediumグループの拡張・均等・縮小条件(④~⑥)における復習間隔の平均はいずれも80秒、Longグループの3条件(⑦~⑨)における復習間隔の平均はいずれも240秒でした。

すなわち、「学習間隔の長さ」(Short・Medium・Long)と「スケジュールの種類」(拡張・均等・縮小)という2つの要因を同時に操作することで、どちらの要因の方が語彙学習により大きな影響を与えるかを解明することを目指したのです。

(*3)Roediger, H. L., & Karpicke, J. D. (2010). Intricacies of spaced retrieval: A resolution. In A. S. Benjamin (Ed.), Successful remembering and successful forgetting: A festschrift in honor of Robert A. Bjork (pp. 23–47). New York, NY: Psychology Press.
(*4)Karpicke, J. D., & Bauernschmidt, A. (2011). Spaced retrieval: Absolute spacing enhances learning regardless of relative spacing. Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition, 37, 1250–1257.

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