【学習法】最も効果的な「復習スケジュール」に関する驚きの研究結果

復習間隔を徐々に広げるのは効果的か
中田 達也 プロフィール

なぜ拡張型が効果的だと考えられているのか

拡張型のスケジュールに関する研究をご紹介する前に、拡張型のスケジュールが効果的だと一般的に考えられているのはなぜなのか、理論的な背景を考えてみましょう。

「拡張型のスケジュールが効果的である」という主張の理論的背景として、以下の2つの原則が挙げられます(*2)

原則1:記憶を正しく想起することで、記憶が強化される。
原則2:復習と復習との間隔が長ければ長いほど、記憶が強化される度合いが強まる。
 

原則1は、「記憶を正しく想起することで、記憶が強化される」というものです。

例えば、「oxygenの意味は何ですか?」と質問されて、「酸素」という正しい意味を思い出せた場合の方が、想起に失敗した時よりも記憶が強化されるということです。これは、「思い出す」という行為を行うことで記憶へたどり着くための経路が強化され、記憶が取り出しやすくなるためだと考えられています。

原則2は、「復習と復習との間隔が長ければ長いほど、記憶が強化される度合いが強まる」というものです。

例えば、oxygenという新出語を学んだばかりの学習者がいたとします。この学習者に、学習の直後に「oxygenの意味は何ですか?」と尋ねた場合と、学習の1週間後に同じ質問をした場合とでは、後者の方がより記憶保持を促進すると考えられています。

これは、学習の1週間後にoxygenの記憶を想起した方が、学習の直後に想起した場合と比較してより大きな心的努力(mental effort)を必要とし、この心的努力が記憶保持を促進すると考えられているためです。

原則1と原則2は、それぞれ相反する内容です。なぜなら、原則2によれば、復習の間隔は長ければ長いほど良いことになります。しかしながら、原則1によると、復習の間隔が長すぎるのは好ましくありません。

原則1によれば、記憶を正しく想起できた場合に限って記憶が強化されます。復習間隔が空きすぎてしまうと、忘却が進行し、記憶を正しく想起することが不可能になるため、あまりに復習間隔が長くなるのは逆効果です(*2)

(*2)Nakata, T. (2015). Effects of expanding and equal spacing on second language vocabulary learning: Does gradually increasing spacing increase vocabulary learning? Studies in Second Language Acquisition, 37, 677–711.

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