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10億円の効率化に成功した航空会社は「アリの集団」に学んでいた!

現役東大生のサイエンス入門「群知能」
いよいよ東京五輪開催も迫ってまいりました。五輪に限らず、何かイベントを企画したりするときの「準備」を効率化するための方法を、生物学を通じて身につけてみませんか?

好評連載「現役東大生のサイエンス入門」第4回は、「アリに学ぶ準備の効率化」を紹介します!

みんなで準備をするときに、「いくつも方法があってどっちがいいかわかんない!」ということも出てくるのではないでしょうか。そんなときにはアリ(蟻)から学べば準備を効率化できるかもしれません。

 

ということで今回は「群知能」のお話です。

集団でみごとな選択をする方法

アリが食べ物を巣へ運んでくるところを観察したことはありますか?

antsPhoto by Getty Images

アリが食べ物を運んでいるとき、どんな道を通って食べものを運べばいいかなんて考えていません。しかし、「あるもの」を使うことで、人間が集団で食べ物を探索するときよりはるかに効率的に食べ物を運搬しているのです。

実はこの「あるもの」とは「匂い」のことなんです。

多くのアリはフェロモンと呼ばれる匂いのモトを出しており、それを嗅ぎ取る力を持っています。アリはフェロモンがある方に自分もフェロモンを出しながら進むのですが、フェロモンの重要な性質として時間が経つと蒸発していってしまうというものがあります。

一見すると短所に見える性質ですが、これが効率化に大きく役立っているのです。

巣からエサに行く道が2本ある時を考えてみてください。片方の道は長く、もう片方は短い道です。

アリはどちらの道が長いかわかりませんから、長い道にも短い道にも半分ずつ進みます。

Evolution of pheromones that an ant deposits in a way and how the preferred routes are generated in ant colonies.

すると、長い道の方に進んだアリはなかなか帰ってこないためフェロモンは蒸発して薄くなります。一方、短い道に進んだアリはすぐに帰ってくるのでフェロモンは長い道より濃くなります。