人気漫画『きのう何食べた?』が女性たちの心をつかむ「納得の理由」

「平成の豊かさ」とは何だったのか
阿古 真理 プロフィール

生活感のあるリアルな展開

豊かになった日本人は、食べ過ぎないよう気を配らなければならなくなっている。史朗から、カロリーを摂り過ぎない献立のコツを教わるのは、事務所で事務職として働く志乃。実家の洋食屋のシェフと結婚した彼女は、職業柄太ってしまった夫を気遣っている。そのコツは、一汁三菜の2品はノンオイルというもの。

実践を始めた初日の夕食は、鶏わさ、ナスとシシトウの揚げ出し、ニンジンとツナのサラダ、ジャガイモとワカメの味噌汁。新婚の夫は「帰ってから俺が作ってもいいんだけど それだと食事の時間はもっと遅くなるし 自分の欲望に忠実ながっつりメシになってしまって こんな健康的な献立は立てられない!」と感動する。

 

仕事にやりがいを求めず、定時帰りの生活をしてきた史朗があるとき、大きな仕事に巻き込まれ残業続きとなる。2週間、史朗と一緒にご飯を食べられずげっそりする賢二。

開き直って作ったカロリーたっぷりの1人分の夕食のメインは、卵3個を使ったオムライス。残りもののハヤシライスのソースをかけ、史朗の影響で食べる習慣がついた副菜の野菜の浅漬け風、ホウレン草のお浸しを添えて食べようとしたところへ、着替えを取りに史朗が帰ってくる。

2人で半分に分けて食べると、おにぎりや出前のピザで夕食を済ませていた史郎は「五臓六腑にしみわたるとはこの事だ うまい…!! しかもこの二週間ろくに喰ってなかったほうれん草のおひたしや野菜の浅漬けまで喰えるなんて…」と涙する。