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メーガン妃とヘンリー王子「王室離脱」は「大事件」になるのだろうか

「セレブリティ資本主義」がもたらすもの

「王室離脱」騒動とその鎮火

イギリスは、2016年6月の国民投票の結果から3年半あまりの紆余曲折を経て、2020年1月31日、ついにEUからの離脱を敢行した。だが、このブレグジットに先立って、もう一つの離脱騒ぎがイギリスでは起こっていた。ハリー&メーガンによる「メーグジット(Megxit)」がそれだ。

ハリー王子とメーガン妃の二人は、新年早々の2020年1月8日、インスタグラム上で「王室からの離脱」を宣言した。具体的には、王室一族(Royal Family)のメンバーから退き、イギリスと北米を行き来する生活を始め、経済的な独立を試みる、というものだ。

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イギリス王室は、この二人の「寝耳に水」の動きに即座に反応し、1月13日に「サンドリンガム・サミット」を開催し、エリザベス女王をはじめとする王室一族との協議の場をもった。結果は1月18日に公表されたが、端的に、ハリー&メーガンの目論見は塞がれてしまった。この春以降、ロイヤルファミリーとのつながりを示す「殿下(His Royal Highness)」ならびに「妃殿下(Her Royal Highness)」という称号を公に使うことは禁じられ、「サセックス公爵ハリー」ならびに「サセックス公爵夫人メーガン」と名乗ることになった。「経済的に独立する」という目論見も、王室と繋がりのあるセレブリティとして新たなブランドの立ち上げを計画していたと伝えられていたことを加味すると、初手ですでに、その手の「経済的独立策」も封じられたことになる。

二人の宣言からわずか10日あまりで、この騒動はスキャンダルへと変貌する前に鎮火された。いわば第1ラウンドは、エリザベス女王の完勝だ。王室との関わりを見直し、経済的独立を望むなら、王室の名は使わずに、一公爵として才覚を示してみなさい、という至極もっともな対応だった。この厳しい顛末から、これもまたブレグジットの比喩から「ハード・メーグジット(Hard Megxit)」と呼ばれることになった。

だが、ブレクジットという、欧州大陸と縁を切る方向に舵を切ったイギリスの目下の情勢が、長い目で見たとき、今回のハリー王子の決断を後押しするようにも見える。そう遠くない将来、先見の明があった、と振り返られるのではないか。それくらい、このブレグジットとメーグジットのシンクロぶりは、象徴的なもののように思われる。