4. 「感染力が高い」「致死率が高い」は事実ではない

「新型コロナウイルスは感染力が強い」「かかったら死亡する恐ろしい感染症である」というイメージが流布されているかも知れないが、WHOにより発表されている致死率は、2月1日付で2.1%程度であり※3、中国国外では死者は1人にとどまっている。SARSの10%という致死率と比較すると低い。インフルエンザと比較すると高いが、中国において、軽症患者や無症状の患者で診断されていない人がかなりいることが推測され、それを考慮すると、致死率はもっと下がるかもしれない

また、感染力に関しては、「基本再生産数」(感染力のある一人の人が感染力を失う前に何人に感染させるか)という値が目安になるが、新型コロナウイルスの基本再生産指数は2~3程度といくつかの研究で算出され、WHOは1.4~2.5と見積もっている※4。インフルエンザは2~3程度であり、インフルエンザと同程度または少し低いくらいと考えられている。再生産指数が高い感染症には麻疹(12~18)や百日咳(12-17)がある。

5. 「マスクで感染が防げる」わけではない

マスクの買い占めなどが起こっていると報道され、店頭ではマスクは品薄になっている。しかし、「マスク単独による感染予防」の決定的な証拠は未だ示されていない。これまでの研究では、「マスクと手指消毒」の組み合わせによる感染予防効果が示唆されている※5。アメリカのCDC(疾病予防管理センター)は今回の新型コロナウイルス感染に関して、一般市民に対するマスク着用は励行しておらず※6、それよりも最低20秒間は石鹸で手洗いすること、手洗いできないときはアルコールによる手指消毒をすること、手洗いしていない手で、目や口、鼻などの粘膜に触れないことなどを推奨している。

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