手抜きへの恐怖を抱くワーキングマザー

背景には、「家事の手を抜く恐怖感」と「経済的不安」があるように思われる。

まず、家事の手抜きに対する恐怖。たとえばワーママに家事代行や冷凍のご飯を勧めても、反応は鈍い。データを見ても家事代行の利用率は7%にとどまる。

理由には「他人を家の中に入れたくない」「家事は家族ですべきだと思う」と答えた人がトップを占める。汚い家を見せることで“自分が母親/妻失格だと思われたくない”心理が働いていると思われる。

家事代行への忌避感だけなら、日本人の「外とうち」意識の隔たりで片付けてもよさそうだ。だが、食洗器の普及率も低く2019年時点で3割にとどまる。普及率は2012年で25%だったから、あれから8年もたつのに5%しか伸びていない計算になる。

乾燥機機能が付いた洗濯機も、購入したにもかかわらず利用率は1割以下。ホームパーティーでもなければ食洗器を持っているか一軒一軒見て回る大衆なんかいないから、これは完全に別事情だ。

日本の食洗器は洗浄する温度が低く、お皿に食品のこびりつきが残ることがある。乾燥機もまれに生乾きを起こす。そして、それを見逃せないのが日本人である。

少しでも家電で失敗経験があると「やっぱり、手抜きをするんじゃなかった」と手洗い・手干しに戻っていく。「皿にこびりついた食品カスだって高温で殺菌されてるだろうし、爪でペリっとやればいいじゃん」とはならないのだ。