働く女性は寝ていない。これは、2006年ごろから知られている事実である。睡眠時間の国際比較を見ると、当時の平均睡眠時間は7時間33分。男性も7時間52分で、世界最下位をひた走っていた。いわば不眠大国・ニッポンである。

だが、当時といまでは事情が違う。2006年では5割強に過ぎなかったワーキングマザーだが、2018年に70.8%まで増加世の中の3人に2人のママは働いている。多くの人が働けば、環境改善を職場に訴える声も増えるはずだ。さらに「働き方改革」で労働者全体の環境も良くなったと言いたいところ……だが、短時間睡眠についてはあまり変化がないのである。

〔PHOTO〕iStock

過労死ラインで働くワーキングマザー

ソフトブレーン・フィールドの調査によれば、働く女性のうち7割が6時間未満しか睡眠を取れていないとわかっている。平日は睡眠時間が4時間以下の女性も10.3%ほどいる。ショートスリーパーで本人が満足していればよいが、同調査結果からは「もっと寝たい」との声が過半数に及ぶ。

3時間程度の睡眠で耐えられる「真のショートスリーパー」は人口の5%程度とされている。つまり、4時間以下の睡眠で耐えているミドル~ロングスリーパーたちは、半数程度といえる。さらに、8割の人は7~8時間の睡眠時間がないと、疲労が蓄積する体質だ。普段から「5時間しか寝てないけど平気」と言っている人たちの多くは、ムリヤリ体を酷使しているのだ。

働く時間が長くなれば、睡眠時間が短くなる。そして睡眠時間が短くなると、過労死につながりうる。これは日本臨床睡眠医学会の指摘だ。短時間睡眠で何年も働き続けるワーキングマザーたちは、それだけで健康にリスクを抱えているのである。