(写真はすべて筆者撮影)

戦争が起きたとき、最も狙われる街が「神戸」であるシンプルな理由

すぐ目の前に潜水艦…本当に大丈夫?

神戸は完全ノーガード?

目前、50メートル、そこに潜水艦がいる。

もちろん映画のセットでも、すでに現役を退いた記念船ではない。わが国防衛の第一線に配備されている紛うことのない、海上自衛隊所属、現役の潜水艦だ。いくさ船であるその潜水艦が、その体を突堤に横たえている。

その潜水艦がわが国防衛で果たす役割について、海上自衛隊は次のように述べた。

「水中における情報収集・警戒監視を平素からわが国周辺海域で広域にわたり実施するとともに、周辺海域の哨戒および防衛を有効に行い得るための重要な役割を担っている」(海上幕僚監部広報室)

軍事界隈ならずとも、秘密の塊として認識されている潜水艦は、その性能はもちろんのこと、行動予定でさえも秘匿されている。乗組員は家族にさえ、その行先や日程すらも伝えられないのだという。潜水艦乗員の家族は、下着を用意するタイミングとその数で、いつ出ていき、どのくらいの日数帰ってこないのかを推し量るのだそうだ。

時に、“海の忍者”と呼ばれる潜水艦では、その乗員もまた忍者ばりの生活を送っている。だが、表に姿を晒す忍者などいない。本来、秘密のベールに包まれ、決して表にその姿を現すことのない潜水艦が、休息中の無防備な姿を晒すことの意味――それは、さほど軍事に詳しくない者でも察しがつくことだろう。

 

ここは西日本最大の海の玄関口で知られる港町・神戸。JR「神戸」駅から、東南の方向へ、大人の足で歩くこと10分あまり。「神戸ハーバーランド」近くにある川崎重工業神戸工場第4号門での現状である。わずかに潜水艦を守っているのは、数十年も取り換えられていないのだろう、錆びたフェンスと監視カメラだけだった。

もっともそのフェンスは、日曜大工で用いる工具で切り開こうと思えば、誰でも切り開くことができるし、よじ登って、これを超えていくこともできるチャチなシロモノだ。

もちろん監視カメラもあるにはあったが、日の高い朝、昼、午後はもちろん、日が沈み、市井の人々が寝静まった深夜2時、3時の時間帯、ずっとそこに居て、潜水艦に近づいても、誰からも咎められることがなければ、誰かに見張られている様子もなかった。