公衆フリーWi-Fiも危ない…東京五輪を狙うサイバー犯罪の手口

気づかぬ間にあなたも「戦闘員」に
菊地 千鶴 プロフィール

エネルギーや社会インフラも狙われやすい

大会と直接関係のない、エネルギーや社会インフラが狙われる可能性も否定できません。例えば、電車、バスなどの交通機関は、信号網や遮断機制御に悪さをすれば麻痺は必至で、破壊などせずとも物理的なセキュリティを脅かすができます。

電力供給網が攻撃を受けた場合、直接的な影響はもちろんのこと、旅行者の多い大会期間中に難解な日本語の国で、電子マネーやクレジットカードのキャッシュレス決済が使用できなくなり、ATMで現金も手に出来なくなったら、どれほどの混乱が起こるでしょうか。

photo by iStock
 

さらに、お手軽な攻撃としては、SNSで爆弾予告や地震予告を拡散、炎上させるだけでも集団パニックにつながりかねません。振り込め詐欺と同様に、不安をあおったり、焦らせたりすることで冷静な判断を鈍らせるのはサイバー犯罪の常とう手段です。サイバー犯罪は巧妙に仕組まれた心理戦でもあるのです。

また、「東京でオリンピックが見られるなんて一生に一度かも」という気持ちに付け込むのが、詐欺サイトです。2019年には「ラグビーW杯を無料で見られます」と偽って、個人情報を抜き取る詐欺サイトもありました。「あなたにチケットが当たりました」「チケット転売します」などの偽サイトや詐欺メールも確認されています。

競技数も入場者数も膨大なオリンピック・パラリンピックではさらなる数の詐欺サイト、詐欺チケットの販売サイト、詐欺メールの被害が懸念されます。世の中、そんな簡単に魅力的な話が転がり込んでくることは滅多にありません。喉から出そうな手をぐっと押さえて、まずは疑ってみることです。