武漢肺炎「元凶は中国がカナダから盗んだコロナウイルス」説を追う

実験施設からの流出か
北村 豊 プロフィール

人災としてのパンデミック

それではカナダから中国・北京市宛てに航空便で送付された危険な貨物はどこへ行ったのか。カナダ当局は危険な貨物の宛名を把握しているはずだが、この点については無言を貫いている。ただし、受領した貨物の危険性を考えれば、貨物の受領者は速やかに貨物を安全な場所へ送るはずである。

中国国内でこうした感染力が強く、致死率が高いウイルスや病原体などを収容する場所として考えられるのは、上述した武漢NBLと中国農業科学院ハルビン獣医研究所の2カ所しかないが、優先的に考えられるのは中国科学院傘下の武漢NBLであろう。

こう考えると、邱香果夫婦によってカナダNMLから盗まれた危険なウイルスや病原菌などは、北京市から武漢NBLへ送られ、厳重に保管すると同時に研究されていたものと思われる。

 

それが武漢NBL職員による何らかのミスによりコロナウイルスの一部が外部へ流出し、人から人への感染によって急速に拡大して武漢市全体をパニックに陥れ、武漢市を起点として中国の国内外へ感染を拡大していると考えれば何となく辻褄が合うように思える。

2002年11月から始まったSARS騒動の際も、ウイルスの元凶は広東人が“野味”の食材とするハクビシンだという説が流れ、相当多数のハクビシンが殺処分された。しかし、その後の調査でハクビシンの元凶説は否定され、ハクビシンの「潔白」が証明された。

今回の武漢肺炎でもタケネズミ、アナグマ、蛇などが元凶の容疑をかけられているが、”野味“料理は中国で古くから伝統的に食べられて来たもので、彼らが武漢肺炎を引き起こしたコロナウイルスの元凶とは思えないのである。

上述した仮説が正しいかどうかは永遠に解明されないと思うが、もしも人為的なミスにより新型コロナウイルスが武漢NBLのBSL-4実験室から外部へ流出したというのであれば、全世界の人々に大きな犠牲を払わせる極めて悲しい出来事ということができよう。

それにしても、中国政府の顔色をうかがい、新型コロナウイルスの感染拡大に対する「緊急事態」宣言を1月30日まで先送りした世界保健機構(WHO)の責任は重い。その最大の責任者は元エチオピア保健相のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長だが、出身国のエチオピアに対する中国の巨額援助がWHO事務局長としての判断を狂わせ、武漢肺炎の蔓延を助長するのであれば、早々に自ら事務局長の職を辞任すべきではないだろうか。