「あれ?この広告よく見るな」、そんなことを感じている人は少なくないだろう。恋愛・婚活マッチングサービス「Pairs」の広告だ。
Pairsは立ち上げとともに、Facebookページで集客をスタート。2019年には累計会員数1000万人を超える国内最大級の恋愛・婚活マッチングサービスとなった。
思わずクリックしたくなるような広告はどのようにつくるのか。時代に合わせてその表現をどう変えてきたのか。株式会社eureka(エウレカ)の取締役CPO/CMOの中村裕一氏にPairsの広告戦略とそこに込めた思いを聞いた。
取材・文/佐藤智、撮影/白井智
近年SNSやアプリのニュースなどで、頻繁に「Pairs」の広告を見かけるようになった。それは、なぜなのだろう。広告をよく目にする理由を、中村氏はこう説明する。
「恋愛・婚活マッチングサービスは利用者の『卒業』を目指すものなので、新規登録者が常に必要なサービスです。Pairsはサービスの中で良い体験をすればするほど恋人ができたり結婚したりし、ユーザーが減っていきます。そのため、男女ともに平均利用期間は6ヶ月くらい。1年もすれば登録者のほとんどが入れ替わります」
Pairsは、常に新規ユーザーが必要なサービスといえる。そのため、広告を継続的に出していくことが求められるのだ。
「今後高齢化が進むとはいえ、恋愛をしたいと考えているユーザーはずっと存在し続けます。その方たちに知っていただくアプローチが欠かせないのです」
Pairsの広告は、事業スタート時からどのように変化をしていったのだろう。中村氏はこう振り返る。
「Pairsの広告はFacebookからスタートしました。それは、PairsがFacebookアカウントを持っていないと利用できないサービスだったからです。3〜4年程前から、Facebook以外からログインできるようにし、それに合わせて多様な広告を増やしていきました」