「婚姻」は離婚にお金と時間がかかる

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一方、話を聞いた人の中には、子供はいないけれど結婚している、という30代男性もいた。ただその理由は、相手が望んだから、という消極的なもの。

僕自身は結婚の必要性を全く感じなかったけど、妻がロシア人で教会で結婚式を挙げたかったから結婚した。でも僕の周りの同世代のフランス人カップルは事実婚が多いかな。結婚すると離婚にお金がかかるから」(32歳、男性、結婚歴5年、子なし)

彼が指摘するように、フランスでは婚姻は事実婚やパックスに比べて離婚の際にお金も時間もかかる。2017年に離婚手続きが簡略・迅速化され、双方の合意が得られたら裁判を通す必要がなく、公証人の前で手続きするだけになったが※1、それでも互いに弁護士を雇わなければいけないのだ。

ちなみに、フランスの婚姻は役所で公示されることから始まり、公示期間中に婚姻に異議のある人が出てこなければ、保証人の立ち会いのもと契約を結ぶ※1。結婚式や披露宴を行うのは個人の趣味による。3人の子どもがいる結婚歴7年の40代女性が事実婚から婚姻に移行した理由も、「小さな頃からウェディングドレスを着るのを夢見ていたから」だと言っていたが、結婚式自体に魅力を感じている女性も少なからずいるようだ。