# 裁判所 # 司法

裁判官がソフトで検索して「コピペ判決」を書いている…残念すぎる事実

「効率」と「出世」を重視すると…
岩瀬 達哉 プロフィール

「参照するだけならまだしも、なかには似た事案の判例を見つけると、やっとこれで判決が書けると顔をほころばせ、そのままコピペしている裁判官もいる」

こう語るのは、首都圏の大規模裁判所に勤務するベテラン裁判官だ。

「そういう嘆かわしい実態を最高裁も分かっているはずです。なのに、『判例秘書』の運営会社から、情報提供の要請があれば便宜をはかり、かなり迅速に対応している。もはや、『判例秘書』は裁判官にとって無くてはならない『起案バイブル』なので、その手当ては怠れないということなのでしょう」

『判例秘書』の運営会社「(株)エル・アイ・シー」のホームページには、「コンテンツ提供団体」として「最高裁判所図書館」が記載されているほどだ。

しかし事件にはそれぞれ個別の事情があり、関係者の思いや関与の度合いもまちまちだ。いったい、どのように「コピペ」すれば、判決が書けるのか。

「『コピペ裁判官』の特徴は、訴訟で争われている事実関係はどうでもよく、執行猶予にするか実刑にするか、原告の請求を認めるか認めないかにしか関心がない。だから、論理の組み立ては、過去の判例をそのまま借用し、結論部分に有罪か、執行猶予かを書けばいいだけです」(元裁判官)

 

意見を引っ込めた方が楽

そのようにして作成された判決原案をもとになされる合議もまた、驚くほど心もとないのが実態だ。

司法研修所の資料によれば、裁判長が意見を促しても「言っていいんでしょうか」と尻込みする陪席裁判官は少なくないとある。また、裁判長によっては「話しにくい雰囲気が結構ある」うえ、地裁の所長が、部下の裁判長に「『もっともっと合議を活発にやってくれ、若い者をもっと育ててくれ、事件は少しは遅れてもいいから、その時間を割いて若い者を教育してくれ』と言うと、『いやいや、所長、そう言っても今忙しいんですよ。忙しくて、なかなかそんな暇ないというのが本音なんだ』」という。

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