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裁判官がソフトで検索して「コピペ判決」を書いている…残念すぎる事実

「効率」と「出世」を重視すると…

人の一生を大きく左右することもある裁判という営み。きっと裁判官は全身全霊で臨んでいることだろう——私たちはそう考える。しかしなかには、「効率」を重視し判例を「コピペ」して判決文を書く裁判官もいるのだという。裁判官たちの素顔に迫った『裁判官も人である 良心と組織の狭間で』を上梓したジャーナリストの岩瀬達哉氏が指摘する。

「正解指向」の落とし穴

もともと正解指向が強く、順調に受験競争に勝ち抜いてきた「優等生」たちは、時間とエネルギーをかけて判決を書いても、最高裁によって偏向していると受け取られると、怪我をしかねない。それより過去の判例を機械的に受け入れ、それに則って判決を起案しておけば無難なうえ、裁判所での名誉ある地位を得やすいことを知っている。

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最高裁事務総局に勤務経験のある元裁判官は、ため息交じりにこう語った。

「若手、中堅を問わず少なからぬ裁判官は、裁判を重大と感じる度合いが薄れていて、判決の理論構成も水準が落ちている。もっと時間をかけ、深みのあるものに仕上げてもらいたいと思うことがしばしばです」

本来、判決文は、裁判官が「記録をよく読み、よく考え、証拠に照らして的確な判断を下さなければ書けない」ものだ。それを「普通の事務」のように処理することを可能にしているのが判例検索ソフトである。

最高裁は、「判例秘書」や「知財高裁用 判例秘書」など各種ソフトを年間約7500万円かけて購入している(2016年度予算額)。このうち、「判例秘書」は、ほとんどの裁判官が活用していて、自身の抱えている訴訟と類似する過去の事件でどのような判例があるかを検索しては、判決起案の参考にしている。