Image by iStock
# 週刊現代

「セロハンテープ」一筋で100年企業に成長したニチバンの凄い経営

高津敏明社長が語った

「セロテープ」という言葉、透明な粘着テープの総称と思われがちだが、実はニチバンの登録商標。一般名称は「セロハンテープ」という。今回の取材先は、その発売元・ニチバンだ。

1918年、薬剤師・歌橋憲一氏が製薬所として創業し、ゴム絆創膏を製造。その流れで'48年、当時は米国からの輸入に頼るしかなかったセロハンテープの国産化に成功している。

現在は工場等で使われる産業用テープやメディカル事業も展開する同社。100年を超えてなお成長を続ける理由を、高津敏明社長(53歳)に聞いた。

ニチバンの高津敏明社長

追求すれば「進化」が生まれる

現在進めている中期経営計画のテーマは「SHINKA・変革」です。当社の歴史を振り返ってみても「固執しないこと」が大切だったと思います。具体的に言えば「貼る」技術を軸に産業用、医療用など基幹商品を増やしてきただけでなく、発売から70年経ったセロテープにだって改良すべき点はあったのです。

テープカッターの刃を進化させた製品があるのはご存じですか? 従来は切り口がギザギザでしたが「まっすぐ切れるタイプ」という製品はカッターの切り口が真っすぐで、かつ刃が特殊な形状でケガもしにくくなっています。「変える」を追求すれば、そこには必ず進化させるべき何かがあります。

 

技術系で入社し、20年以上商品開発や工場での品質管理に携わりました。たとえば、布テープのコストダウン。布に使う糸の本数を減らせば安くできますが、減らしすぎると狙った位置で切りにくい。何度も調整を繰り返した思い入れのある製品で、現在も販売中です。

また建築用のテープなど、職人さんが使うものは切りやすさなどの好みが十人十色で、どこに照準をあわせるかが難しいんです。工場で使うテープをつくるときは独特の緊張感がありました。