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新型肺炎ショック…ネット上で出回る「中国人元凶説」の偏見を問う

危機感を抱くのはいいが…

ガイドの案内で

「中華料理は何でも食材にする。4本足なら机以外は、と総理に報告したよ」――。1985年3月、日本商工会議所訪中団(団長・五島昇東急グループ総帥)の副団長として中国を訪れた故本田宗一郎氏(ホンダの創業者・当時は本田技研工業顧問)は、首相官邸で当時の中曽根康弘首相に訪中報告した後、囲み取材の首相番記者にそう言って笑い飛ばした。

新型コロナウイルスによる肺炎感染拡大問題については追って言及するが、その前に少々、筆者の「ベトナム食事体験」にお付き合い願いたい。

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筆者が90年4月に次いでベトナム・ホーチミンシティ(旧サイゴン)を訪れたのは94年の夏。同年9月4日の関西国際空港(関西空港)開港に合わせて朝日放送・テレビ朝日の「サンデープロジェクト」が企画した特別番組のリポーターとしてであった。

8日間の現地取材を終えた日の夜、ディレクター、カメラマン、音声エンジニアなどテレビクルーとガイド(通訳)など取材チーム全員で打ち上をした。ガイドが同市郊外に格別美味しくて極めて珍しい食材を堪能できると案内してくれたのが、まさに今回の中国湖北省武漢市の新型コロナウイルスの震源地とされる市場内の店と同じタイプの所だった。

小さな檻に入れられたアルマジロを始め、コウモリ、ヘビ、アナグマなどから自分の“好み”を選び、料理してもらうのだ。若いテレビクルーがアルマジロを美味しそうに食べているのを横目で見るだけで、食べられない筆者はひたすら酒を飲んでいた。そして肝心なことは、今でも思い出せる彼らの表情である。「なぜ、こんな美味しいものを食べないの?」と、その顔が問いかけていたのだ。