外国人に優しくない国・日本…働くのも学ぶのも、生きるのも厳しい現実

住むところも満足に見つけられない
鷲尾 香一 プロフィール

「政府お墨付き」は機能しているのか?

政府は2019年4月、出入国管理法を改正して「特定技能1号」と「特定技能2号」の2つの新たな在留資格制度により外国人労働者の受け入れを開始した。

「特定技能1号」は、「相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務」に従事する外国人を対象とする在留資格。取得にあたっては、各業種の所管省庁が定めた試験に合格する必要がある。

在留期間の上限は通算5年で、出入国に関する制限がないため、繁忙期など「短期雇用」も可能だ。また、通算5年の範囲内であれば、在留期間中の雇用先の変更や分野内での転職が認められている。

 

「特定技能2号」は、1号よりも高度な技能が必要とされる「熟練した技能を要する業務」に従事する外国人向けの在留資格。在留期間の更新回数に制限がなく、実質的に在留期間の上限がない。さらに、永住権を取得することも認められているほか、家族帯同が可能になっている。 特定技能1号から2号への移行は、試験に合格することなどにより可能になる。

つまり、「特定技能資格」を有しているということは、政府が“日本で働く能力がある”とお墨付きを与えたことになる。これらの制度にもとづき、政府は2019年度に最大4万7550人、5年間の累計で34万5150人の受け入れを想定している。

だが法務省の発表によると、2019年7月末現在、特定技能1号の在留資格が認められ、日本で働いている外国人労働者はたった44 人、同2号ではゼロとなっている。

政府のお墨付きを得た外国人労働者は、まだ僅かだ。ただ実態として、少子高齢化による労働人口の不足を補うために、すでに外国人労働者は貴重な戦力となっており、多くの外国人労働者がすでに日本で働いているのも事実だ。