外国人に優しくない国・日本…働くのも学ぶのも、生きるのも厳しい現実

住むところも満足に見つけられない
鷲尾 香一 プロフィール

高卒者の非正規就職率が約9倍

妻子とともに日本に来た先のタイ人男性にとっては、子どもの教育問題も大きな障壁となっている。「言葉の問題から結局、不登校になってしまった」という。

文部科学省が2019年9月27日に発表した「外国人の子供の就学状況等調査結果」によると、外国人の児童は小学生相当が8万7164人、中学生相当が3万6885人の計12万4049人。ところが、就学していない外国人の児童は1万9654人、全体の6分の1近くに達する。

 

同省が昨年5月1日時点の「公立小・中・高等学校等における、日本語指導が必要な児童生徒の受入れ状況」について調査したところ、公立学校に在籍している外国籍の児童生徒数は、小学校5万9094人、中学校2万3051人、高等学校9614人の計9万3133人で、そのうち日本語指導が必要な児童生徒数は5万759人で前回より6812人増加(15.5%増)。うち外国籍の児童生徒数は4万485人で、前回より6150人(17.9%)も増加している。

さらに、日本語指導が必要な外国籍の児童生徒のうち、日本語の特別な指導を受けている者の割合は3万2106人(79.3%)と前回調査より2.4 ポイント増加している。

これらの数字を見ると、約8割の外国籍児童生徒が日本語指導などの特別指導を受けている、と読み取れる。しかし、その指導内容が日本での生活に十分役立つものか否かは、判然としない。

というのも、「日本語指導が必要な高校生等の中退・進路状況」を見ると、全高校生の中途退学率が1.3%なのに対して、外国籍の生徒は9.6%と7.4倍も高く、さらに就職者における非正規就職率では全高校生等が4.3%なのに対して、40.0%と9.3倍も高い。

また、進学も就職もしていない比率は全高校生等が6.7%なのに対して、18.2%と2.7倍も高く、進学率は全高校生等が71.1%なのに対して、42.2%と約6割となっている。

日本語をはじめ、日本で生活するための教育が十分に受けられなかったことが原因、とまでは言い切れないものの、これらの数字をみれば、外国籍の高校生には日本人高校生よりも進学、就職に困難を抱えている生徒が多いことは明らかだ。