外国人に優しくない国・日本…働くのも学ぶのも、生きるのも厳しい現実

住むところも満足に見つけられない
鷲尾 香一 プロフィール

技能実習生問題は終わっていない

なんとか住居が決まり、役所の手続きが済んで、いざ新生活に入っても、多くの問題が待ち構えている。

このタイ人男性は、日本企業に正社員として採用されており、妻子を伴って来日しているが、彼のような人は少数派だ。多くの外国人労働者は非正規社員として働いており、家族を持たないケースも多い。

まず、問題となるのが労働条件である。

 

2015年から、外国人技能実習生の相次ぐ失踪が大きな話題となった。特に2018年には、失踪者数は9052人と1万人近くにのぼり社会問題にもなった。

失踪の理由として第一に挙がったのが労働条件で、「過酷な長時間労働」や「給与の未払い」、「条件を大きく下回る給与」といった問題が明るみに出た。

外国人技能実習生の過酷な労働条件が問題視されると、受け入れる日本企業も待遇改善に取り組むようになり、この問題は“沈静化”したかに見える。しかし、実態はそうではない。

昨年8月に厚生労働省が取りまとめた、外国人技能実習生が在籍している事業場に対し、2018年に労働基準監督署等が行った監督指導や送検等の状況をみると、監督指導を行った7334事業場のうち、法令違反が認められた割合は70.4%にも達した。

主な違反事項としては、「労働時間」(23.3%)が最も多く、使用する機械に対して講ずべき措置などの「安全基準」(22.8%)や「割増賃金の支払」(14.8%)等が続いている。結局、外国人労働者(特に非正規社員)に対する不当労働は話題にならなくなったたけで、いまだに続いているのだ。