2020.02.05
# 駅弁

“駅で売れない駅弁”が大人気!「峠の釜めし」の美味すぎる戦略

時代の逆風にも廃れないワケ
長浜 淳之介 プロフィール

ドラマ化を機に一躍全国区に

「峠の釜飯」は値段が高く、誰も見たこともない変わった商品だったので、顧客には理解できなかったのだという。なお、当時の販売価格は120円かけそば1杯の値段は25円ほどだったので約5倍の値段となる。

売り子たちからの評判も悪かった。その頃は首から紐を掛けて、大きな四角い木箱の上に駅弁を30個くらい乗せて売るスタイルだったので、重くて持ち運びにくかったからだ。

かつての横川駅の販売台車

好転したのは、雑誌『文藝春秋』同年9月号の旅のコラムに掲載されたのがきっかけ。瞬く間に評判が高まり、飛ぶように売れるようになった。販売方法も台車に乗せるなど、大量に捌く工夫を凝らした

61年には横浜高島屋の駅弁大会に出品。以降、さまざまな駅弁大会に出品している。

62年、横川駅の近くを通る国道18号線沿いに「峠の釜めしドライブイン」(現・横川店)をオープン。モータリゼーションにいち早く対応し、渋滞ができるほど賑わった。このロードサイドへの施策が、横川駅と軽井沢駅の間の線路がつながらなくなっても、売上を維持できる理由である。

 

さらには67年、みねじ氏をモデルとしたテレビドラマ『釜めし夫婦』(池内淳子主演)がフジテレビ系で放映され、「峠の釜めし」の人気は全国トップクラスとなって定着した。

信越本線が横川止まりになっても、危機感はなかったですね。横川駅での販売の比率は、既にわずかになっていましたから。むしろ、93年に上信越自動車道ができた時、横川のドライブインの売上は3分の1にまで減りました。弊社も高速道路のサービスエリアに出店したので、トータルではトントンになりました」(荻野屋システムデザイン部の担当者)。

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