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打倒トランプなるか? アメリカ独特「候補者指名争い」の楽しみ方

2020アイオワ党員集会観戦ガイド

現地時間2月3日、アイオワ州で開催される党員集会により、2020年大統領選の候補者指名争いが始まる。緒戦アイオワの鍵はどこにあるのか? 2020年の微妙な制度変更とは? 2008年以降の両党の党員集会を毎回現場で観察してきた筆者が解説する。

 

アイオワ州の「重み」

政党幹部ではなく有権者が予備選挙で公認候補を決める点で、アメリカの制度はオープンである。

この制度がなければ、トランプのような共和党エスタブリッシュメントが好まない候補が指名を勝ち取ることができなかった。

政治に思い入れのある有権者は、個性的な泡沫候補に入れ込むことがあり、彼らにとっては味気ない中道候補が揃いがちな本選よりも、自由な選択肢がある予備選こそ大統領選の醍醐味だと考える。予備選に入れて本選は棄権する人も少なくない。

だが、有権者の一票はまったく平等ではない。どの州の住民かで雲泥の差がある。

情熱的な政治オタクのアメリカ人はある州に引っ越す必要がある。ラストベルト? オハイオ州? 違う。アイオワ州だ。

アイオワ州の位置〔PHOTO〕iStock

アイオワ州では候補者が1年前から膨大な数の集会を行う。未来の大統領と何度も会った、家のカウチで仮眠していった等々、この州では日常的な会話だ。

本選挙は全米同日一斉投票だが、予備選挙は1州、1州、ある段階からは複数の州のパッケージの塊で、順送りで開催される。立候補したら50州で投票が終わるまで撤退してはならないというルールがない。おおむね緒戦で次々とリタイアし、意中の候補への投票を楽しみに待っていても、自分の州に番が来るまでに消えている。中盤以降の州だと、そもそも自分の州に来るまでに予備選の勝敗自体が決し、投票の権利を行使できない。

その点で、緒戦は特別な地位にあるが、1州目のアイオワはキャンペーンを味わえる期間の長さを独り占めし、アイオワの結果を受けて相当数が撤退するスクリーニング機能まで発揮するので、アイオワ州民の1票は民主党と共和党の候補者選びの中で、過剰な力を有している。