『トップナイフ―天才脳外科医の条件―』公式サイトより

天才脳外科医、がん専門医…急増する「医療ドラマ」その確実な進化

「大門未知子」のいない冬の熱き戦い

林立する「医療ドラマ」

今期のドラマで目立つのが、医師が主役で、病院が主な舞台となる「医療ドラマ」だ。

『トップナイフ―天才脳外科医の条件―』(日本テレビ)、『恋はつづくよどこまでも』(TBS)、『病院で念仏を唱えないでください』(同)、『アライブ―がん専門医のカルテ―』(フジテレビ)、そして『病院の治しかた―ドクター有原の挑戦―』(テレビ東京)と5本にもおよぶ。

なぜ、これほど医療ドラマが乱立、いや林立するのか。

作る側からすれば、「(視聴者に)見てもらえるドラマ」「他のジャンルに比べて数字(視聴率)の歩留まりがいいコンテンツ」ということになるのだろうが、もう少し、その背景を掘り下げてみたい。

〔PHOTO〕iStock
 

第一に、しっかり作られた医療ドラマは、同時に「社会派ドラマ」でもあるということ。なぜなら、医療システムとは、社会システムそのものでもあるからだ。

現在、多くの視聴者(特に高齢者)にとって、医療は経済などと並んで大きな関心事の一つになっている。いや、医療に対する不安感や危機感が、今ほど広がっている時代はないかもしれない。

関心度が高いからこそ、週刊誌などでも医療をテーマとした特集が繰り返されている。しかも医療の世界は外部からうかがい知ることが難しい。視聴者が持つ医療そのものへの関心が、医療ドラマを支持する要因の一つとなっている。

また、医療ドラマの主人公である医師は、「強き(病気)を挫き、弱き(患者)を助ける」存在であり、本来的に「ヒーロー」の要素をもった職業だ。

ならば医療ドラマは、生と死という究極のテーマを扱う「ヒーロードラマ」ということになる。『ドクターX―外科医・大門未知子―』(テレビ朝日)などは、その典型だろう。