孤独死する男性は「女性の3〜4倍」現場を見てわかった切ない理由

亡くなった部屋に遺されていたもの
菅野 久美子 プロフィール

立ち直れるケースは稀有

セルフネグレクトから脱することができたのは、趣味の繋がりがきっかけだった。

雪渕さんは妻の死後、趣味として絵画の収集を始め、ギャラリーのスタッフや作家と会話をするようになった。その中で、自分の体験を自然に打ち明けられるようになった。ある女性の画廊オーナーは、妻を亡くした雪渕さんの体験談を聞き、涙を流したという。

 

自らの体験を他者に共感してもらえたことが転機になり、セルフネグレクトから抜け出すことができた。その後雪渕さんは会社を辞めて行政書士の資格を取得、今は自らの体験を生かしたいと資格を生かし、「終活」に関わる業務に携わっている。

雪渕さんはかろうじて、趣味を通じて知り合った「人と人との繋がり」が支えになることでセルフネグレクトを自ら脱することができたケースだ。しかし残念ながら、それは稀有で恵まれた例だというのが、孤独死現場を長年取材している立場からの実感だ。

孤独死に追い込まれる人は、前述したような様々な要因をきっかけにして、人間関係において立ち直れないほどにダメージを受け、社会から孤立しているケースがほとんどだからだ。特に、孤独死は近年社会問題となっている、中高年のひきこもりとも関連が深いとの実感がある。