「元祖怪物・江川卓」ヤバい高校時代…速すぎる球に笑うしかなかった

3年間でノーヒットノーラン12回…!?

佐々木朗希の「令和の怪物」という異名を耳にするたびに、往年の野球ファンはこの男のことを思い出さずにはいられない。圧倒的なストレートを武器に昭和の高校球界を席巻した「元祖怪物」のことを。

無敵のエース

「左足を高々と上げて繰り出すストレートで相手打者をバッタバッタとなで切り、バットに当てさせない。変化球もカーブだけで、あとはほぼ直球勝負。

まるで漫画の主人公ですよ。『星飛雄馬が現実の世界に存在している』。江川卓は、まさにそういうイメージでした」

長年、高校野球を見続けているライターの堀井憲一郎氏は、高校時代にテレビで熱中した作新学院のエース、江川卓(64歳)のピッチングについてこう語る。

「確かに、春夏連覇の松坂大輔(西武)やハンカチ王子・斎藤佑樹(日本ハム)、甲子園で戦後最多の20勝を挙げた桑田真澄(元巨人)など、甲子園で声援を浴びてスターになった投手はたくさんいる。

 

でも、『あれは人間なのか』と言うほどの別次元の凄みが、お茶の間までビシビシ伝わっていたのは後にも先にも江川だけでしょう」(堀井氏)

堀井氏のような一般の野球ファンから、プロ野球のOBまで、江川卓の存在を「高校野球史上最強の投手」と振り返る人は少なくない。

'87年に巨人を引退してからは球界に戻らず、時おりドラフトの時期に「空白の一日」絡みで思いだされる以外は、話題にのぼることも少ない。