提供:Tポイント・ジャパン

Tカードの購買データを社会貢献に役立てる商品開発プロジェクトから、長崎は五島列島の海を舞台にした、美味しいフィッシュハムが誕生。魚に新たな価値を与え、海の豊かさを守る取り組みの背景にある思いとは?

捨てられる魚に価値を与え、
離島の漁業を変える

透明なブルーの海、白砂のビーチの高浜海水浴場は日本の渚百選、快水浴場百選にも選定されるほどの美しさ。

九州の端、長崎港からさらに100㎞の西の果て。大小140もの島々から成る五島列島は、美しい恵みの海に囲まれ、四季折々さまざまな魚が水揚げされる海の幸の宝庫として知られている。しかし、その裏には離島ならではの海の問題も潜んでいる。

そのひとつが「未利用魚」の問題未利用魚とは、食用としての人気が低く、水揚げされたとしても海に捨てられてしまうなど、さまざまな理由があって流通しづらい魚のこと。高級魚は輸送費をかけて離島から都市圏に運んでも収入になるが、未利用魚をわざわざ陸まで持ってくる漁師はまずいない。

五島の魚市場。ずらりと並んだ魚を見れば、どれだけ豊かな海に恵まれた島々であるかは明らかだろう。だが、ここに未利用魚が並ぶことはほとんどない。

こうした問題に貢献するべくプロジェクトを立ち上げたのが、買い物などで「Tポイント」が貯まるサービスを展開するTポイント・ジャパン。約7000万人の会員の購買データを社会に役立て、地域共生を目指す「Tカードみんなのソーシャルプロジェクト」として、未利用魚を商品化し価値を高める取り組みがはじまった。

五島の漁師たちが網を引く、日々の風景。

2018年8月にTカードのデータから魚介好きで食にこだわりのあるT会員12人のプロジェクトメンバーが選出され、実際の商品開発には、生産者を代表して五島で練り物などの生産加工を手がける〈浜口水産〉、流通代表にスーパーマーケットチェーンの〈マルエツ〉、これまでも食のサステナビリティを考えてきた森枝幹シェフがアドバイザーとして加わった。

ぶり、ひらまさ、とびうおなど、多種多彩な魚が水揚げされる。

T会員が五島のフィールドワークをしたり、未利用魚の問題と向き合って考えた商品アイデアを、森枝さんと生産者、流通からの意見を取り入れてブラッシュアップ。開発する商品の決定には、大人の食卓、お酒によく合う、料理が好きをキーワードに、商品が求める人にきちんと届くものになるようTカードのデータも役立てられた。そして、メンバー全員による幾度もの試作と試食を繰り返して、2019年11月、未利用魚を使った「五島のフィッシュハム」が誕生した。

〈浜口水産〉の濱口さん。本社工場に併設された店の前で。ほか店舗は五島に2軒、東京・豪徳寺店もある。

生産者である〈浜口水産〉の濱口貴幸さんは、20年以上前から五島の水産業に危機感を覚え、かまぼこの素材などに積極的に未利用魚を活用してきた。

「30年ほど前までよく獲れていたイワシが、ある年からぱたりと獲れなくなった。今もそうです。海の状況が変わってきていると感じました。そこで、捨てているものを活用できればと、20年前から未利用魚を使用し始めました。当時、未利用魚は市場で1㎏5円ほど。氷で冷やす価値もないと捨てられていた魚を、1㎏40円の高値で引き取ったら、小遣い稼ぎに喜んで持ってきてくれる漁師さんもいた」

未利用魚が利用される場を作ることで、魚の価値が高まる。また、海藻を食べる未利用魚が海で増えすぎた結果、藻場に棲息する生物や、そこを産卵場とする魚が減少してしまう問題も防げる。

〈浜口水産〉のように、今は魚から加工できる業者も減少している。

「長年、洋風のソーセージのようなものをつくりたいと考えていたので、今回のプロジェクトはとてもいい機会になりました。ただ、スパイスやハーブを使う練り物の製造は経験がなく、周囲に味を相談できる人もいなくて、その配合に苦しみましたね。東京に送って評価してもらって微調整することを繰り返すのは、暗いトンネルを彷徨うような作業でした。

でも、その成果もあり、90%五島産の原料で、その他も長崎産と、スパイスやハーブ以外は地のものを使って生産することができました。商品の成功を機に多くの加工業者に興味を持ってもらえたら嬉しい。また、そういう業者に生産方法はできる限り伝授していきたいです。捨てられるはずの魚に新たな価値を見出す、いいきっかけになったと思います」

海の豊かさを守る未利用魚のフィッシュハム。おいしく食べて、サステナブルな漁業に貢献しよう。


五島の未利用魚って?

<左上>アイゴ(バリ) <左下>ブダイ <右上>イスズミ(ひちくれ) <右下>ニザダイ

未利用魚とは、食べられる魚種にもかかわらず、価値が認められず、水揚げされても廃棄されてしまう魚のこと。サイズが不揃い、獲れる量が不安定、知名度が低い、鮮度が落ちやすい、調理が面倒など、流通しづらいのにはさまざまな理由がある五島の主な未利用魚はアイゴやブダイなど。


五島のフィッシュハム

添加物、化学調味料、砂糖無添加、小麦粉やでんぷんも不使用の地魚100%。プレミアムなビールにぴったりのブラックペッパー味。焼いたり揚げたり、炒め物の具材にしたりと、そのまま食べる以外にも優秀な食材に。〈マルエツ〉〈こだわりや〉他で発売中。65g ¥300

【お問い合わせ】
Tポイント・ジャパン

    

提供:Tポイント・ジャパン

●情報は、FRaU2020年1月号発売時点のものです。
Photo:Meisa Fujishiro Masayuki Nakaya(product) Text & Edit:Asuka Ochi