活断層の専門家、直下地震を警告!「いま一番危ない活断層はココだ」

実際に見て正しく知ろう「断層の恐怖」
中川 隆夫, ブルーバックス編集部

宮下さんもこう言う。

「1%と言われたら、ほとんどの人は地震が起こらないと思ってしまいますよね。そこが悩ましいところです。地元で活断層の説明会をおこなっても、最終的に多くの人が、それで地震は起こるのか起こらないのか……という二択に行き着いてしまいます。

現実には、自分が生きているうちにそこで地震が起こるか起こらないかが重要だとしても、起きたときにどこへ逃げるのか。今後家を建てるときに、断層の上には立てないようにするといった対策は考えたほうがいいのです」

活断層の「古傷」を探す

そして、活断層型地震が「いつ起こるのか」と共に重要なことは「どれくらいの規模で起こるのか」だという。

「地震では、地下10~20キロメートルの岩盤が割れて地震エネルギーを放出します。単純に長い断層が連鎖して割れれば、それだけ大きな地震となり、被害も大きくなります。2016年の熊本地震ではおおよそ35キロメートルほどの断層が動きました。

一回の地震で、どれくらいの範囲がずれ動くかを想定しないと、揺れる場所や揺れの大きさを推定することができません。このためには、トレンチをたくさん掘って過去の事例をできるだけ多く集めないといけませんが、実際の調査地点は限られているので、地震の予測にどこまで反映できるのかは、難しいところです」

ところで、公表されている活断層以外に、知られていない活断層はないのだろうか。

「たくさんの研究者が全国の活断層を調べていますが、なかには活断層と言われていないのに、地震が多い地帯もあります。そこは、地表では見えにくく調べられていないだけで、じつは活断層があるかも知れません。

活断層の場所が細かく記載された資料

動く周期が数万年に一度と長い活断層もあります。そうすると、かつては地表に残っていた断層のズレの跡が、風化して分からなくなっていることも多い。

日本列島は2000万年前頃にユーラシア大陸から別れて、島になりました。さらには太平洋やフィリピン海プレートなどから押され続けていて、地下は引っ張られたり押されたりと、傷だらけです。地震は、その古傷を利用して割れる場合がほとんどです。

だからこそ、過去の古傷である断層の場所や、活断層の活動履歴を調査することに意味があるのです」

そもそも、「活断層」とはなにか

地震によって岩盤がズレ動いた場所を「断層」と呼んでいるが、そもそも「活断層」とはなんだろう。

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