建設業界のサラリーマンたちが「マジンガーZの格納庫」を作るまで

これぞオープンイノベーション
岩坂 照之 プロフィール

ひっそりと開設された新コーナーだった

2003年2月、前田建設工業のホームページの端にひっそりと開設された新コーナーが「ファンタジー営業部」でした。建設業に興味のない方にその仕事の中身を伝えファンになっていただきたいという想いを胸に、異業種企業との共創により空想上の構造物を実現していく様子を公開していくものです。

今回、映画にしていただいた『前田建設ファンタジー営業部』は、我々がこのホームページを制作し人気を得るまでの悪戦苦闘が描かれるコメディですが、実はその裏で、我々が最も大事にしている「モチベーションづくり」がしっかりと息づいている作品になっています。

前田建設ファンタジー部HPより
 

お仕事ムービーの魅力は、数々の困難とその解決の物語にありますが、それは工事現場の中にも必ず存在します。困難な自然に向き合う技術者の奮闘を描く建設映画も多数存在します。

しかし「ファンタジー営業部」の企画を考えていた2002年当時、一般のみなさまにおける建設業やゼネコンのイメージが予想以上に悪い可能性がありました。とすれば建設業をヒーロー然とする劇的な情報発信はマイナスに働くかもしれない。ちょうどその頃、警察の実態に近い演出のTVドラマ『踊る大捜査線』が人気を博した後でもあり、結局は等身大の我々の悩み(課題)、思考(解決方法の構築)、行動(実践)を見ていただき、笑いながら我々建設業への信頼を増していただける広報活動にしたいという方針が決まります。

なかなか浮かばなかった具体策は、本田技研さんの二足歩行ロボット「P3」の見学、および江崎グリコさんの大人向け商品「タイムスリップグリコ」のヒットにヒントを得て、前田建設と異業種企業が一緒になり、空想世界の特徴ある意匠と機能を持つ基地や格納庫の実現について工費や工期まで含め本気で検討するという企画に結実しました。