自衛隊の中東派遣、異例の「1佐」を3人も送り込む安倍政権の狙い

「情報収集」のためではなかったのか?
半田 滋 プロフィール

家族は混乱しているのでは?

筆者はP3C哨戒機が那覇基地を出発する前の1月10日、翌11日に海上自衛隊が実施した家族説明会の資料を入手した。

この資料では、自衛隊の活動について「日本関係船舶の安全確保に必要な情報を収集」「海賊対処行動に支障を及ぼさない範囲で実施」とあり、意外にも海賊対処が「主」、情報収集が「従」となっている。

自衛隊の家族説明会で配布された資料(1)
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その一方で、安倍首相は自衛隊の活動について、情報収集を踏み越え、「日本関係船舶の安全確保」と言い切っているのだから、家族は混乱しているのではないか。

別の家族説明資料には、派遣される隊員はいずれもPKO保険に加入した旨の説明があり、「海外派遣者の治療等(怪我や病気)を補償」と書かれている。さらに「死亡・7日以上の入院時、ご家族が現地に赴くための費用」についても説明している。

自衛隊の家族説明会で配布された資料(2)
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最悪の事態を想定するのが組織の務めとはいえ、あまりに無神経な表現ではないだろうか。担当者が家族説明会でどのように説明したのか、気になるところだ。

とはいえ、この家族説明資料に書かれている内容についてさえ、政府は広く国民に対しては説明していない。今回の中東派遣とは何なのか、本当に必要性はあるのか、開かれた議論を抜きに航空機や艦艇の派遣ばかりを先行させ、既成事実化させてよいはずがない。