自衛隊の中東派遣、異例の「1佐」を3人も送り込む安倍政権の狙い

「情報収集」のためではなかったのか?
半田 滋 プロフィール

もともと海賊対処を任務としてアフリカのジブチを拠点に派遣されている自衛隊のP3C哨戒機2機は、CTF151が必要とするアデン湾上空からの監視活動の8割を受け持っており、残り2割を英国、フランスなど欧州5カ国で分け合っている。つまり、海賊対処の監視飛行は、すでに海上自衛隊が「主力」となっているのだ。

1月11日、那覇基地を出発したP3C哨戒機2機は20日、アデン湾上空からの監視飛行を開始した。海賊対処と防衛省設置法の「調査・研究」にもとづく情報収集という二足のワラジを履いた活動とはいえ、監視飛行の8割を受け持つのだから、「オペレーション・センチネル」においても中心的な役割を担うことになるのは自明だろう。

「調査・研究」目的のはずなのに

説明が遅くなったが、中東へ派遣される残り2人の1佐は、2月2日に横須賀基地を出航する護衛艦「たかなみ」艦長の新原綾一1佐(44)と、「たかなみ」を含む4隻の護衛艦を指揮する第6護衛隊司令の稲葉洋介1佐(48)である。

稲葉1佐は、第6護衛隊の残り3隻を上部機関の第2護衛隊群司令に預けて「たかなみ」に乗艦する。

海賊対処に護衛艦2隻を派遣していた2016年12月までは護衛隊司令もアデン湾に来ていたが、1隻の護衛艦のために護衛隊司令が日本を離れ、中東に活動拠点を移すのは珍しい。

 

ちなみに海賊対処で現在、中東へ派遣されている護衛艦を指揮する水上部隊の指揮官およびジブチに拠点を置くP3C哨戒機を指揮する航空隊の司令は、それぞれ2佐である。

海上自衛隊は、海賊対処で派遣する幹部を2佐にとどめる一方で、「調査・研究」による情報収集には1佐を3人も派遣する。これは海上自衛隊が今回の中東派遣を重要視している何よりの証拠といえるだろう。