病院はパンク…新型肺炎の感染急拡大、SARSと決定的に違うこと

勢いはとどまるところを知らない
ふるまい よしこ プロフィール

また、東岸部と内陸部を結ぶ物理的中継地点として、鉄道駅規模では全国4位、旅客取扱量は6位の武漢駅を抱える。また北京から広州を通り、香港やマカオに続く高速道路(縦線)や上海と内陸の四川省成都市を結ぶ高速道路(横線)の交錯地点でもあり、文字通りの「交通の要衝」として機能している。さらに、長江沿岸の大都市としてその上流と下流を結び、上海に牽引される長江デルタ経済圏の主要都市の一つにもなっている。

その武漢が新型コロナウイルス肺炎の大流行を防ぐため、外との往来手段をすべて切断され、「封鎖」されたのである。中国の交通事情、あるいは経済活動を知る人にとっては大変衝撃的な出来事であり、その決定は文字通り、武漢市民、そして全土の中国人にパニックを引き起こした。

 

後手に回った対応

報道によると、現時点の政府発表では、武漢肺炎の「最初の患者」は12月8日に38度以上の発熱を訴えて病院にかかり、レントゲン検査で肺炎の症状が明らかになり、「ウイルス性肺炎」と診断されたとされる。

そしてその日から同様の発熱と症状を見せる患者が続々と27人も出現。同時にこれらの患者はすべて、武漢市内にある海鮮市場の関係者かそこを訪れた人たちであることが明らかになり、その時点で「感染は海鮮市場内で起こった」と特定された。

しかし、この海鮮市場が正式に閉鎖されたのはずっと後の12月31日午前のこと。そしてこの日の午後になって武漢市衛生健康委員会は、月初めのウイルス性肺炎の大量発生についての初めて公開通知を発表した。

月初めには感染源と疑うに十分な情報が集まっていたにもかかわらず、この市場閉鎖が月末まで閉鎖されなかったのはなぜなのか。一つは中国の各地に散らばる、生物を取り扱う食材市場では感染症の発生は日常化しており、衛生当局も習慣化してしまい、すぐに閉鎖するほどの重大性を感じていなかったのかもしれない。

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