新型肺炎「武漢に住む日本人」は全員無事に帰国できるのか

対応にあたったコンサルタントに聞く
松岡 久蔵 プロフィール

対処法を変えるべきとき

28日の時点で、日本国内でも武漢滞在経験のない日本人患者が出ている。奈良県内のバス運転手で、武漢から来た観光客を今月2回乗せたという。

1月26日の筆者記事「コロナウイルスで顕在化…安倍政権が『インバウンド・リスク』で躓く日」では、安倍政権が「年間訪日観光客数4000万人」を掲げて推し進めるインバウンド観光客増の政策が、伝染病を日本国内に流行させる潜在リスクを高めている側面を指摘した。

ただ、ネットの一部で出ているような「中国人は病気を持ち込むから、一律に入国禁止にせよ」といった排外的な主張にも筆者は与しない。今後日本でも多数の患者が出た場合、日本人が他の国で感染を広げてしまう事態も十分に考えられる。「お互い様」であると考えるべきだろう。

 

空港などでの「水際対策」という概念自体が、国家間の人の往来が限られていた時代の発想である。膨大な数の人が日々世界中の国を行き来する現代においては、今回の新型肺炎のように強力な感染症を完全に食い止めるのは不可能と言っていい。

新型肺炎の拡大を機に、日本でも改めて、防疫に必要な法整備や人材育成、そしてグローバル時代に即した伝染病対応策のシミュレーションを行ってゆく必要がある。

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