Photo by gettyimages

新型肺炎「武漢に住む日本人」は全員無事に帰国できるのか

対応にあたったコンサルタントに聞く

一時は「暴動」の懸念もあった

「武漢市が閉鎖された23日から26日くらいまで、現地メーカーなどに勤める邦人の間では、『もし食料が足りなくなり、公的機関の機能が麻痺したら、香港での暴動のように武漢市民が暴徒化するのではないか』との懸念も高まっていました。邦人が住むホテルレジデンス(長期滞在用のホテル)では、実際に物資不足のため食事回数が減り、そうした状況の連絡を受けて、日本に住むご家族の中にはパニックに陥る方もいらっしゃいました」

今回、武漢からの邦人退避の対応にあたった危機管理コンサルタントはこう振り返る。

中国・武漢から感染が拡大している新型コロナウイルスによる肺炎をめぐり、日本政府は現地にいる日本人を帰国させるためのチャーター機を派遣した。29日午前にも希望者の第1陣、約200人が帰国する。

武漢は現在封鎖されており、邦人の帰国の見通しが立ったことは歓迎すべきだ。前出の危機管理コンサルタントへの取材を通して、現地の状況、また現地に事業所を抱える日本企業の課題について明らかにする。

 

いまの現地の状況は?

武漢市は現在、地下鉄やバス、川を渡る客船など公共交通機関の運行を停止しており、再開のめどはたっていない。東京都並みの約1100万人の人口を抱える大都市だけに、食料が枯渇するなどの懸念から、現地のコンビニやスーパーでは品切れが相次ぐ事態となっている。

Photo by gettyimages

このような状況で、現地邦人は待機せざるを得なくなったわけだが、このコンサルタントによると、前述したような武漢市民の「食料不足による暴徒化」は起こらないとある時点で判断できたという。