余命の目安も変わるときが多い

勝俣医師は言う。

「前にもお話しましたが、がん治療で必要なのは、3つの“あ”です。あせらない・あわてない・あきらめないです。最後のあきらめないは、治療をあきらめないのではなく、“人生をあきらめない”という意味です。そのために、緩和ケアは重要な存在なのです。

しかも、がん治療で多くの人は、余命宣告をされたらその余命通りになる、と想像するかもしれませんが、実際には余命など予測通りではありませんね。断定はできないのです。緩和ケア病棟やホスピスも、『最期の場所』と考える方が多いですが、実際には入院しても3割くらいの方は退院しています。がんが治るというのではなく、QOL重視の治療で体調がよくなり、通院で緩和ケアを受けながら在宅ケアに切り替える方も珍しくはありません」(勝俣医師)

進行がんで治療中の私の親しい友人は、「本当に怖いのは、痛いこと、苦しいこと。そこを避けて生活することを今は一番に考えたい。放射線や軽いモルヒネ系製剤がとても役立っていて、普通に生活するばかりか、体調をみながら仕事も続けていて、毎日がとても充実している」と語ってくれた。今は抗がん剤を受けているが、いつかのときに困らないように、緩和ケアが充実している病院に転院したという。

最期をどこで過ごすか。3話では意見が分かれる家族の姿も描かれた。写真/フジテレビ