2019年年末、世界経済フォーラムの『ジェンダー・ギャップリポート』(2019年12月16日発表)で、日本は、世界153ヵ国中121位という過去最低の結果になった。つまりは、「さまざまな男女格差が大きい国である」ということだ。ジェンダーギャップリポート4位だったスウェーデンに留学し、セクソロジーを学ぶ福田和子さんは、国際学会や会議に参加し、日本のジェンダーギャップの課題を肌で感じている。

しかし、その4位のスウェーデンで「女性への暴力反対デモ」が小雨の中開催されたという。なにか悲しい事件でも起きたのだろうか? 福田和子さんが足を運び、そこで知ったことをリポートする。

女性への暴力を止める横断幕を掲げる女性。顔の赤い手形は被害者がいまだに沈黙を強いられている現実を示している。写真/福田和子

「性行同意法」可決の国で
なぜ「性暴力反対デモ」が必要なのか

「私たちが今すべきこと? それは―ただちに、暴力を止めること!」
日曜日の夕方、そんな叫び声が、スウェーデン第二の都市ヨーテボリに響き渡った。

私が参加したのは、男性による女性への暴力に反対する抗議デモ。いつも通り天気は曇天に、降っては止んでを繰り返す小雨。しかし、そんな天気にも関わらず、集合時刻の15時30分には多くの人が集まった。私のカウントでは、参加者は約300人以上。かなりの数だ。

スウェーデンといえば、2018年、“たとえNoとは言っていなくても、自発的な同意のない性行為は全て性暴力とする”法律が可決された国として有名だ。同法は、『セクシャル・コンセント・ロー、コンセントロー』(性交同意法)などとも呼ばれる。1月20日には、スウェーデンの司法省、検察庁の方々が日本に来日し、各地でコンセントローに関するレクチャーや会見が開かれた。

だから、読者の方の中には、「スウェーデンで女性への暴力に反対するデモ?」「スウェーデンはコンセントローも通ったのに、まだデモするの?」なんて思う方もいるかもしれない。それが結構、するのである。

私は今回、デモの主催者や参加者から、コンセントロー施行後のスウェーデン社会について、また、施行後も尚声を上げ続けるのはなぜなのか、実際に話を聞いてみた。そこから見えてきたのは、遠いゴールのように思っていたコンセントローも、もはやゴールではなく、スタート地点であるということ。そして、やっとスタートラインにたった今、私たちにできることは、私がこれまで日本で見てきたのと同じ、できる人ができることをする、地道な一歩の積み重ねしかないという、世界共通の揺るぎない事実であった。

開始前、広場に集まる人々。参加者は約300人にのぼった。