山梨学院大学、幹部が関与する会社に4億5000万「私物化の全貌」

教職員には「給与支払い遅延」なのに…
田中 圭太郎 プロフィール

山梨学院はなぜ申請をしなかったのだろうか。大学などが制度の対象となる要件には、「法人の役員に外部人材が2人以上含まれること」が盛り込まれている。しかし山梨学院には、外部の理事は1人しかいないという。新たに入れれば済む話だが、入れようとしなかったのではないかと学内では囁かれている。

山梨学院大学が制度の対象にならなかったことは、地元メディアでも報じられ、波紋を広げた。山梨学院は10月18日に次のようなお詫びのコメントを発表している。

〈残念ながら、山梨学院大学と山梨学院短期大学は、この制度の対象機関となるための確認申請を行うことができませんでした。今回の確認申請が行われる時点では、対象機関となるための要件を充たす確実な見込が立たなかったことから、申請を見送ったためです。この制度を利用して山梨学院大学または山梨学院短期大学への入学を検討されていた受験生、すでに本学に学んでいる在学生、ご家族のみなさまには、大変なご心配をおかけしておりますことを心よりお詫び申し上げます〉
 

その上で山梨学院は12月19日に、独自の修学支援制度を実施することを明らかにした。国の支援制度の受給資格がある学生を対象に、入学金と授業料の減免を行なう。ただ、学生は日本学生支援機構からの給付型奨学金の支給は受けられない。

国の支援を受けずに独自の減免を行うことは、裏を返せば、不作為によって法人に損失を出したと言えなくもない。学生も不利益を被る。それでも新制度の対象機関になるために必要な外部理事を入れようとしなかった本当の理由は、今回の新会社設立が明るみに出て、異論を挟まれたくなかったからではないだろうか。

台風被害に「びた一文出す気はない」

山梨学院の関係者によると、古屋理事長ら上層部の姿勢によって、同学園の大学以外、幼稚園から高校にかけての教育にも問題が起きているという。

2019年10月の台風19号では、山梨学院の幼稚園や小学校などで床上浸水や雨漏りなどの被害が発生した。しかし、職員が復旧に向けた対応を申し出ると、古屋理事長は「そんな金は出せない。保護者の寄付で賄え。法人としてはびた一文出す気はない」と言って対応しなかったという。

その一方で、各系列学校では来年度からの授業料の値上げも予定されている。私的な流用や新会社設立などのしわ寄せが、保護者や学生にきているのではないか。