山梨学院大学、幹部が関与する会社に4億5000万「私物化の全貌」

教職員には「給与支払い遅延」なのに…
田中 圭太郎 プロフィール

現在確認できる情報から、詳細に見ていきたい。

まず、山梨学院が4億5000万円を出資するのは「C2C Global Education Group 株式会社」。山梨学院の総務課長が代表取締役を務める。12月11日に登記された会社で、グループ会社の株式を所有している。

次に、「C2C Holdings株式会社」。2019年7月に設立されたこの会社の所在地は、古屋理事長の自宅とみられる。「C2C Global Education 株式会社」も事務局長の自宅と思われる住所が所在地だ。これらの会社を通して、教育事業から、備品の納入や販売、不動産の管理まで、学校法人として山梨学院が行ってきた事業が行われることになる。

そもそも、山梨学院がこれらの会社に4億5000万円を出資することは、法人の学則などで従来定められていた出資金額の上限を超えている。変更するには本来なら評議員に諮るべき内容だが、理事会の承認のみで上限を引き上げたとみられている。

しかも、学校法人山梨学院の名称自体も、「学校法人C2C Global Education Japan」に変更しようとしているという。学校経営を根本から変える計画が、水面下で進められていたのだ。

 

背景にあるのは「私学法改正」か

山梨学院は幼稚園から小・中学校、高校、短大、大学まで擁し、大学も3800人以上の学生数を誇る。これだけ大規模な学校法人であるにもかかわらず、この短い期間に次々と新会社を設立して、事業の権限を持たせようとしているのは、あまりに性急で違和感がある。

その理由はどこにあるのだろうか。可能性が疑われるのが、2020年4月1日から施行される私立学校法の改正である。

今回の改正では、私学に対して「役員の職務及び責任の明確化等に関する規定の整備」や「情報公開の充実」、「中期的な計画の作成」などが定められた。学校法人の運営の透明化が求められると同時に、理事や理事の親族などに特別の利益を与えてはならないことや、利益相反取引を制限することも定めている。

山梨学院で新しく作られた複数の会社が、どのように株式を持ち合って、学校法人とどのような契約を結ぶのかについては、現時点ではまったくわかっていない。しかし、改正私立学校法の施行前に、理事長兼学長をはじめ、上層部それぞれが利益が得られるような体制を「駆け込み」で作ろうとしていると受け取られても、仕方がないのではないだろうか。