強権独裁が横行する世だから読もう、非暴力・不服従の元祖「老子」

庶民が圧政に抗して生き抜く知恵
大原 浩 プロフィール

理想の国家とは?

「世捨て人の指南書」と思われているので、無視されがちだが、老子の最後の部分では国家論が展開される。

老子が目指す究極の国家とは「庶民が政治を語らない国」である。もちろん、これが意味するのは、独裁者が暴力で国民を締めあげて「政治を語るのを禁じる」という意味ではない。

いくら政府が禁止しても「上に政策あれば下に対策あり」という言葉が示すように、(反政府)地下活動を止めることはできない。そうではなく、「庶民が政治に無関心になるほど善政が行われ、幸せに満ちた平穏無事な世の中が保たれる」ということである。

さらに「いったい誰が治めているのか庶民が意識しない、為政者が空気のような存在になる」のが究極の姿だとも述べている。

 

このような観点から考えると、概ね存在感がない為政者が続いた日本は「幸せに満ちた平穏無事な世の中」であったのかもしれない(皮肉ではない……)。凡庸な人間でも日本のリーダーが務まったことは「日本繁栄の証」といえるであろう。

しかし、老子の理想国家は、国民に最適であっても「外敵の侵略」は想定していない。

平時であれば「モリカケ問題」「桜を見る会」などのワイドショー的「疑惑追及」は、国民が幸せな証拠だといえなくもないが、現在は1月28日の記事「『コロナウイルス大流行』が貿易戦争完敗の中国にトドメを刺すか」など数多くの記事で述べた中国大陸や朝鮮半島での危機的状況が指し迫っている状態だ。

香港や台湾では、老子の教える「非暴力・不服従」が勝利する可能性がかなりあるが、中国大陸や朝鮮半島では、さらに激烈な暴力による支配に向かう可能性もある。

老子は「非暴力・不服従」だけではなく、「庶民が権力者の圧制に対して生き抜く知恵」についても多くのことを述べているが、それらに関しては著書(「The Roshi―老子81章・乱世を勝ち抜くための【決断】の書―戦う経営者・ビジネスマン・投資家のバイブル」)を参照いただきたい。