家族にはいろんな形がある。夫がメインで家計を支える家庭、夫婦完全分離の家庭、妻がメインで家計を支える家庭。それぞれの家族の最適な形をとればいいだろう。しかし、妻より収入が低い夫が、プライドとの狭間で妻に嫌がらせをするようになってしまったら――?

多くの離婚取材をしてきた上條まゆみさんが今回話を聞いたのは、4年前に離婚したフルタイム勤務の女性。フルタイムどころか、地域活動も熱心にしているパワフルで魅力的な女性だ。彼女がとった離婚の形とは。

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小中学生の子どもたちは父と暮らす

佐々木佳奈さん(仮名・47歳)は、22歳の長男、17歳の長女、15歳の次男、3人の子どもの母親だ。4年前に離婚し、佳奈さんひとりで家を出た。当時、ひとり暮らしをしていた長男以外、中学生、小学生だった下2人は父親と住むことに。子どもから父親を奪わないためには、それがいちばんいい方法だと考えた。

幸せな5人家族だったけれど、父親と母親の間には亀裂が入ってしまった。しかし、ともに父親であり、母親である。佳奈さんの離婚はどのような経緯だったのだろう(写真はイメージです)Photo by iStock

「夫婦の仲は壊れてしまったけれど、子どもにとってはいい父親。彼は日中仕事をしているので、子どもと一緒に過ごせるのは夜だけ。一方、私は仕事が不規則なので、昼間、時間がつくりやすい。PTAの役員をしているので、しょっちゅう学校に行っていて顔も見られるし、ママ友から情報もたくさん入るし……」

離れて住んではいても、子どもたちと佳奈さんはとても仲がいい。佳奈さんが経営する店に遊びに来たり、佳奈さんが離婚後に付き合い始めた新しいパートナーと暮らす部屋にも、気軽に泊まりに来たりする。 

父親との暮らしも夕食後、一緒にテレビを観るなど楽しくやっているようだ。

いい意味で両親それぞれのいいとこ取りをしている、子どもたちのたくましさが頼もしい。家族の形は保っていても両親の仲が悪いトゲトゲした環境より、少々ぶっ飛んではいてもみんなが機嫌よくいられる環境のほうが、よほど健康に育つのではないか。

離婚後、それまで携わっていた仕事から一転、知り合いに誘われてバーの経営を始めたというアクティブな佳奈さんに、結婚から離婚までの経緯を聞いた。