不安に思ったときにどうしたらいい?

例えば八木亜希子さんが公表した線維筋痛症のように、病気には、精神的なことが絡んでくるものも多くあります。その場合はより病名が正しいのか判断が難しくなります。線維筋痛症の原因の一つと考えられているストレスですが、ストレスがあると痛みを感じやすくなるし逆に痛みはストレスになる。痛みの原因は多岐にわたります。原因不明の全身痛を訴える患者に対して鑑別疾患を十分せずに線維筋痛症と診断し、投薬してしまう医師もいると聞きます。

線維筋痛症だけではなく、それで一向によくならない、おかしいという場合は自己判断であちこちの医師にかかるのではなく、診てもらっている医師に紹介状を書いてもらい、さらに専門的な病院なりを受診されることをお勧めします。

他の病院を受診する際、紹介状を細かく書いてもらうことはとても大切です。「後医は名医」という言葉があるように、前の診断結果や調査結果が多ければ多いほど、正しい診断結果に結びつくからです。

先日会った女性の患者さんは、2日おきに違う病院を受診、薬をちょっと飲んでは「効かない」といって別の病院に行き、そこでまた別の薬を処方されていました。私が診た時は3件目でした。そうやって紹介状も持たずに病院を転々とするのは、あなたのためにはなりませんよ、と説明しました。

煙草を吸っていることを隠していたり、既往症を伝えていなかったり。医師に自分の情報を開示することは自身のよりよい治療につながるのだ。言いたくなくなるような医師がいるのも事実だけれど、それなら別の医師を堂々とあたろう(写真はイメージです。写真の人物は本文と関係ありません) Photo by iStock

本来ならば、まず診てもらった医師に「先日処方された薬を飲んだが改善しない」と再受診されるのが良いと思います。病院や医師と相性の良し悪しがあることも事実です。しかし「あそこじゃ良くならないから」と早々に判断し、その病院に内緒で別の病院に行っても、前医での所見がどういうものでその医師の見解がどうであるかがわからなければ振り出しに戻ってしまうことになります。前の医師の見解があり、どのような経過でどういう治療がなされて治っていないのかが、とても重要な情報になったりするのです。それなのに紹介状もなく、お薬手帖すらなくてどんな薬を飲んでいたかわからないという方もよくいます

担当医に説明をしてもらい、ご自身が理解されたうえで他の医師の意見を聞きたい場合には、「セカンドオピニオン」を求めるという方法もあります。これは担当医に紹介状を書いてもらい他の医師の意見を聞くものであり、原則的にセカンドオピニオンをした医師は診療には当たらず、担当医にお戻しするといったものです。病院を変わりたい場合はやはり転院のための紹介状が必要になります。

「黙って座ればぴたりと当たる」のを期待するような患者の方もいます。しかし何より大切なのは患者さん自身の体調が良くなること。前の先生でうまくいかなかったら、その情報も一緒に渡すことで、解決の糸口を探すことができるのです。「後医は名医」と言われるゆえんなのです。

情報を是非開示して、疑問に思ったら質問をしてください。それでもセカンドオピニオンを受けたいのであれば、担当医に相談してください。もし質問に答えなかったり、怒ったりという医師であれば、信頼できない医師と思われても仕方ありません。

医師と患者は人と人。信頼関係を築くことが、なにより治療に役にたつことなのです。