日本人が知るべき、事故続発のボーイングと米政府「ただならぬ関係」

厳しい状況が続いているが…
時任 兼作 プロフィール

記事には驚くべき告発証言も記載されている。

〈(20)13年までボーイングに勤め、認証に携わった航空技術者のマイク・レバンソン氏は、「ボーイングがFAAを仕切っていた」とその実態を証言する。(中略)技術者が問題を見つけてもFAAではなく、ボーイングの上司に報告する決まりに変わっていた。MAXとは別の機体の補修をめぐり、レバンソン氏はエンジンを支える重要部品がFAA基準を満たせないと気づいた。決まり通りボーイングの上司に伝えると、「黙って認証するように」と迫られた。拒むと「10分で机を片付けろ」と職場を追われた、と明かす〉

この記事の中では、インドネシアでの墜落後もFAAの動きは鈍く、2回目の事故後もFAAは「MAXは安全」とするボーイングの主張に寄り添い続けて事故の再発を許したこと、また運航停止を宣言したのは、2度目の墜落が起きた3日後であったことなどについても言及されていた。

 

「シータック・マフィア」の暗躍

前出の外事関係者は、米国特有の事情について、さらに踏み込んだ解説を行った。

「シータック・マフィアと米政府とのなれ合いはいまに始まったことじゃない」

シータックとは、米国ワシントン州にあるシアトル・タコマ国際空港を指す言葉だが、シータック・マフィアとは、ボーイング社と同社とを取り巻く米政府関係者――とりわけ数の多い情報機関・軍関係者を指す隠語だという。

同空港周辺にボーイング社の工場を含めて関連施設が多いためだ。シアトルは同社のかつての本社所在地でもあり、今回問題となった737シリーズの製造工場は現在なおこの地に置かれている。

外事関係者が続ける。

「ボーイング社と米政府の関係は、同社が設立された第一次世界大戦の頃から始まっており、第二次世界大戦時には、社内に戦略情報局(CIAの前身)の傍受施設が設けられていた。また、戦闘機などの関係から軍関係者の出入りもちろんもあった」