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日本人が知るべき、事故続発のボーイングと米政府「ただならぬ関係」

厳しい状況が続いているが…

相次ぐ事故のウラにあるもの

「まずい発言が多すぎた。首のすげ替えだ」

海外の事情に通じる外事関係者が、米航空機大手ボーイング社のデニス・ミューレンバーグ最高経営責任者(CEO)が2019年末に更迭されたことについて、そう評した。

ミューレンバーグ氏は昨年10月末、米議会公聴会に出席し、同社の小型機737MAXが相次いで墜落した事故に関して過失を認める証言をしたが、十分な説明責任を果たさなかった。それに加えて、「FAA(米連邦航空局)の審査は年内には終わる」と公言したことが災いしたという。外事関係者が続ける。

「FAA(米連邦航空局)との癒着が問題視されている最中、さすがにこの発言は放置できなかったのだろう。737MAXをめぐっては、この癒着がため安全基準が満たされないまま認証がなされ、それが事故の原因となったとされている。そのことは内部証言などでも明らかになっている。にもかかわらず、今後もその体制が続くようなことを公言されてはたまらないということだ」

 

ボーイング社とFAAとの癒着については、日本でも報じられている。2019年9月、朝日新聞が事故の原因とともに、その内情をレポートしたのである。記事の要点を引用しておこう。

〈MAXは昨年10月にインドネシアで、今年3月にはエチオピアで墜落し、計346人が死亡した。惨劇の遠因は、その誕生の経緯に潜んでいた。

ボーイングのライバル、欧州エアバスが2010年代初め、燃費に優れる小型機「A320neo」を出すと、格安航空会社などの人気が殺到した。新型機をゼロから開発していては時間もコストもかかる。ボーイングは、半世紀前に初代が飛んだ737シリーズの改良で対抗することにした。(中略)克服すべき課題があった。エンジンの大型化で機体のバランスが崩れたのだ。加速時に機首が上がりやすく、失速しかねない。そこで特定の条件で自動的に機首を引き下げる飛行システムを組み込んだ。二つの墜落事故ではこのシステムが誤作動していた〉

〈危うい飛行機が世に出たのはなぜか。MAXが安全だとお墨付きを与えたのは、規制当局のFAAだ。「認証」という安全性を確認する手続きを踏んだが、現実には、FAAは人手不足から、重要箇所以外の認証はボーイングの技術者に権限を委任していた。米紙によると、問題の飛行システムの評価すら、ボーイングに委ねられていたという。MAX開発を急ぐプレッシャーの中で、危険性は見過ごされた〉