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「新型肺炎vs.中国政府」習近平を本気にさせた春節の死闘

共産党「トップ7」が厳めしい顔つきで

今回で、この連載が500回を迎えました!

いまから10年前の2010年4月、講談社で『現代ビジネス』をたった一人で立ち上げた畏友・瀬尾傑初代編集長から、講談社北京の副社長をしていた私のところへ、電話が掛かってきました。「今度『現代ビジネス』というネットニュース誌を始めるので、国際ニュースの『見本』として毎週、北京発のニュースを送ってほしい」。こうして、瀬尾編集長が「近藤大介 北京のランダムウォーカー」という表題をつけてくれて、連載第1号としてこのコラムを開始したのです。

それから早10年が経ち、いまでは『現代ビジネス』の執筆者も、定期・不定期含めて100人前後に上っています。幸い私のコラムも、「毎週1万字の中国分析」をモットーに、今週で500回目を迎えることができました。

これもひとえに、読者の皆様のおかげです。今後1000回、2000回と続けていく所存ですので、引き続きご愛読のほど、よろしくお願い申し上げます。

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正月気分も吹き飛ぶ事態

1月25日土曜日は、14億人の中国人が、一年で最も大切にする2020年の「春節」(旧正月)だった。

ところが習近平総書記は、この日にいきなり、「中南海」(北京の最高幹部の職住地)で中国共産党中央政治局常務委員会を招集した。正月早々、共産党の「トップ7」が厳めしい顔つきで参集するなど、前代未聞だ。

習近平総書記ら「トップ7」は、後述する鐘南山院士らから直接、新型コロナウイルスの状況説明を受けたのだった。習総書記は野太い声で述べた。

「全党全軍全国各民族の人民は、患者たちと共に立ち、堅強な後ろ盾となる。生命は泰山よりも重いのだ!」

 

中南海の混乱は、中国全土の大混乱を意味した。中部6省で最大規模の都市、1100万人を擁する武漢市で発生した新型コロナウイルスは、日増しに猛威を振るっている。

1月27日午前11時から国家衛生健康委員会が開いた会見で、「感染者数は2744人、死者は80人に上っている」と発表された。今後毎日、午前11時から会見を開いて、最新の状況を説明するという。

大晦日(1月24日)の夜に、中国の友人・知人から送られてきた「微信」(WeChat)のメッセージ(年賀状にあたる)も、今年は尋常でないものだった(写真下)。

男の子も女の子も、ネズミ年のネズミまで、マスクをつけているではないか。メッセージには、こう書いてあった。

〈手をきちんと洗って、マスクで口を塞いで、人が多い場所へは行かないように 2020大晦日快楽!〉

実際、多くの中国人と「微信」の挨拶を交わしたが、北は吉林省から南は広東省に至るまで、SNS上の会話は、新型コロナウイルスに関することばかりだった。中国全土が、正月気分など完全に吹っ飛んでしまったことが分かる。

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