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イギリスがいま直面する歴史的な「二つの離脱」それぞれの教訓

20年以上イギリスを見てきた私の視点

歴史に刻まれた「二つの離脱」

イギリスの2020年1月は二つの離脱によって歴史に刻まれることになった。

イギリスの欧州連合(EU)からの離脱=ブレグジット=と、ヘンリー王子とメーガン妃の王室からの離脱である。

筆者が新聞社の特派員としてロンドンに赴任したのは、ヘンリー王子の母であるダイアナ元皇太子妃がパリで交通事故死した直後の1997年9月だった。

以後、様々な角度から王室ウォッチを続けてきただけに、ヘンリー王子夫妻の王室離脱には感慨深いものがある。

二つの出来事のタイミングは偶然重なっただけだろう。

しかし、時代の潮流という文脈に位置付けるとクロスする部分も見えてくる。

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「主権(国境)を取り戻す」ことを掲げたEUからの離脱はある意味で、懐古主義というグローバリゼーションへの反動だろう。

一方で、その「古いイギリス」を象徴する王室から離脱し、イギリスとカナダの二ヵ国に生活の拠点を置くという生き方は国境を越えてコスモポリタン的だ。

グローバリゼーションの深化という歴史的な岐路に際し、イギリスという国家の選択とヘンリー王子夫妻の選択は好対照をなす。

ヘンリー王子の行動には、やはりコスモポリタン的に生き、王室と相容れなかった母ダイアナのDNAが色濃く息づいているようにみえる。

そんなことを考えていると、ヘンリー王子夫妻はブレグジットするイギリスから半ば離脱するようにも思えてくるのである。