役所があえて教えない…マンション改修に使える「国の埋蔵金」があった

エレベーター設置にも補助が出ます
山岡 淳一郎

もう一つの「建替えの推奨」は、全国的に住戸が余っているこんにち、再建した高層マンションの新住戸が完売できるとは限らない。新住戸が売れる見込みがなければ、建替え費用の捻出は難しく、当然、元の住民は経済的負担を強いられる。何年にも及ぶ仮住まい期間の家賃も自己負担だ。夢のような建替えより、建物を修繕、改修して長く使い続ける、本当の再生が求められている。

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「官の埋蔵金」

じつは、国交省の老朽マンション改修策のなかには世間に知られてなくて、せっかく予算を取ったものの、補助金が活用されていないものが少なくない。これを「官の埋蔵金」と私は勝手に呼んでいる。たとえば「長期優良住宅化リフォーム推進事業」のマンション適用もその一つだ。

長期優良住宅とは、長い間、良好な状態で使うための基準をクリアした住宅を指し、都道府県や市区に申請して認定を受ける。住宅の新築、もしくはリフォームにおいて耐震性、省エネルギー性、バリアフリー対策、劣化対策などの基準を満たせば、この認定が受けられ、工事費の3分の1の補助金が支給されるのだ。

一般に「長期優良住宅は戸建て」といった思い込みが激しく、集合住宅の適用例は少ないが、マンションの改修にも同リフォーム推進事業は使える。15年に一度の大規模修繕に合わせて、このしくみを使い、工事費を抑えて建物の質を大幅に向上させたケースもある。