役所があえて教えない…マンション改修に使える「国の埋蔵金」があった

エレベーター設置にも補助が出ます
山岡 淳一郎

街を歩けば、大規模修繕で外壁を補修しているマンションはそこらじゅうにある。タイルが浮いていたら取り換えて張り直し、定着させる。ごくふつうに見られる光景だ。「外壁の剥落」で「生命・身体に危険が生じるおそれがあるマンション」がどのぐらいあるのか不明だが、修繕で対応できるようなことが新たな条件に書き加えられたのには驚きを禁じ得ない。

さらに「とりまとめ案」は、「日常生活に必要な基本的なインフラ機能を欠いて」対応が困難な老朽マンションは、「容積率の緩和」をインセンティブに「建替えの円滑化を促進すべき」とも書いている。

基本的なインフラ機能とはライフラインやエレベーターなどだ。古い5階建ての団地は、エレベーターがなく、給排水管が劣化したところが多い。そのような団地は、容積率を上げて高層マンションに建替えろ、と読める。国は敷地の売却だけでなく、建替えも推し進めようというのだ。

今後、これらの案にそって老朽マンションの敷地売却や建替えの法整備が進められるはずだ。政官財のトライアングルは、何が何でも古いマンションを壊して再開発したいらしい。

 

本当に現実的な施策か

が、しかし、マンション住民の側に立てば、いずれもハードルが高く、負担の大きな選択だ。現実的に敷地売却は、マンションのスラム化が進み、廃虚寸前に追い込まれなくては選択肢として浮上しない。「外壁の剥落」程度で売り払いたいと思う人がどれだけいるだろう。

ハードルの高さを無視して、国が無責任に敷地売却を勧めているようにも見える。それに、もしも外壁の剥落の危険性が拡大解釈されたら、タイル張りの超高層マンションは危険の塊になってしまうのではないか。あれをどう解体し、敷地を売るというのだろう。