役所があえて教えない…マンション改修に使える「国の埋蔵金」があった

エレベーター設置にも補助が出ます
山岡 淳一郎

入手した土地にマンションを再建するか、商業ビルをつくるか、はたまたホテルや病院を建てるかは買受人のデベロッパーの胸三寸。時価で売り払った住民は、自分で次の住まいを探さなくてはならない。再開発の権限はデベロッパーが握る。

そもそもこの制度は、東日本大震災の発生直後、被災マンションが「民法」の原則による「全員合意」でなければ建物を取り壊せず、対応に手間取ったことを踏まえ、将来の巨大地震に備えて2014年の法改正で生まれた。

なべて耐震不足のマンションは、首都直下地震や南海トラフ巨大地震が起きれば、居住者や近隣住民の生命・身体に危険を及ぼす可能性がある。そこで、前もって敷地を売って安全な建物を建てさせようというわけだ。

実際に東京都内では、千代田区の「番町ヴィラ(1970年築)」や「麹町三番町コンド(1971年築)」が、敷地売却組合を結成して敷地を売り払っている。制度の大義は防災や社会安全にあり、マシンョンの耐震不足が敷地売却の前提条件である。

 

外壁の剥落でも「敷地売却」の対象に?

ところが、昨年12月20日、国交省が設けた「社会資本整備審議会住宅宅地分科会マンション政策小委員会(委員長=斎藤広子・横浜市立大学教授)」は、その「とりまとめ案」で敷地売却の対象を拡大する方向を明示した。

では、どのようなマンションが敷地売却の新たな対象となるのか。案にはこう記されている。

「外壁の剥落等により居住者・近隣住民等の生命・身体に危険が生じるおそれがあるマンション」は、「敷地売却事業の対象とすることも重要である」と。