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役所があえて教えない…マンション改修に使える「国の埋蔵金」があった

エレベーター設置にも補助が出ます

その施策、本当に大丈夫ですか?

全国の分譲マンション約655万戸のうち築後30年を超える物件は約198万戸(2018年末現在)。3割を突破している。築後40年超は約81万戸に上る。建物の老朽化と住民の高齢化=「二つの老い」が、ずっしりとマンションにのしかかり、スラム化の危機が叫ばれて久しい。

最近、国土交通省は、二つの老いに苦しむマンション、団地の「再生」という名目で「更地にして活用」する施策を打ち出している。がしかし、この制度には少なからぬ問題があると、筆者は考えている。

一方で、国交省の老朽マンション改修策のなかには、せっかく予算をとったのに十分に制度が活用されず、補助金がムダになっていると思しきものがある。むしろそちらの活用を勧めるべきではないかというのが、本稿の結論となる。

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さて、やや専門的になるが、更地活用施策とは「マンションの敷地を積極的に売却させる制度の適用範囲を拡大しよう」というものである。

現在、「耐震性が不足している」マンションに限って区分所有者の「5分の4」以上の多数決などで敷地を売却する制度が運用されているが、このしくみを一般の老朽マンションにも適用拡大する動きが加速しているのだ。

敷地売却の制度には、取り引きを加速させるためのインセンティブとして「容積率の緩和」が盛り込まれている。つまり、土地の買受人は、そこに従前より大きな建物をつくって再開発の事業が展開できる。その旨みを享受したい買受人が建物を解体・除去し、再開発を行うことになる。