2月16日 米デュポン社がナイロンの特許取得(1937年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1937年の今日、米デュポン社が合成化学繊維ナイロンの特許を取得しました。ナイロンはストッキングやバッグ、そして歯ブラシなどに使われています。低価格で魅力的な消費財素材として、世界を変えました。

ナイロン発売されたナイロンストッキングを引っ張ってみせる女性(1939年撮影) Photo by Getty Images

ナイロンの発明者は、デュポン社の有機化学者ウォーレス・ヒューム・カロザース(Wallace Hume Carothers)です。カロザースは1921年に25歳で大学教員になり、才能を見込まれてデュポン社に招かれ、1935年にナイロンの合成に成功した優秀な人物でした。しかし、その裏には切ない物語があります。

ウォーレス・ヒューム・カロザース Photo by Getty Images

彼は若い頃からうつ病を患っており、ナイロンの成功があったにもかかわらず「達成できているモノは何もなく才能が枯渇した」と考えるようになりました。妹が死去するという不幸も重なり、1937年4月に自殺してしまいます。

デュポン社がナイロン製の女性用ストッキングを発売した1938年には、すでにこの世にはいなかったのです。

 

また、ストッキングが発売されたときも、ナイロンの発明についてカロザースの名は表に出されませんでした。ナイロンの製法が企業秘密であったため、カロザースは長い間無名のままだったのです。

そして、アメリカ科学振興協会がカローザスを表彰したことで、ようやく彼の名前が知られることとなりました。その死から63年後、2000年のことです。

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